忙しくしていると、
自分が何を感じているのかさえ、
わからなくなることがあります。
本当は疲れているのに、
「まだ大丈夫」と言ってみたり。
本当はやってみたいのに、
「私には無理」と先回りしたり。
誰かの期待に応えたり、
目の前のことをこなしたりしているうちに、
私たちは案外、
自分のことを置いてきぼりにしながら
暮らしています。
そんなとき、
私はお茶を淹れます。
お湯を沸かして、
茶葉を選んで、
ゆっくりと色づいていくお茶を眺める。
香りを感じて、
温かなカップを手にする。
それだけで、
頭の中をいっぱいにしていたものが
ほんの少し静かになって、
その奥にあった小さな声が
聞こえてくることがあります。
「ほんとは、どうしたい?」
「私は、どう感じている?」
すぐに答えが出なくてもいい。
何かを解決しなくてもいい。
まずは、
今の自分が感じていることを
自分が聞いてあげる。
それだけでいいのだと思います。
お茶を飲むことは、
誰にでもできる、とても簡単なこと。
でも、その何気ない時間が、
いつも外へ向いている意識を
自分へ向けるきっかけになります。
人生には、
大きな選択をする日もあれば、
小さな「どうしよう?」に
出会う日もあります。
そんなとき、
誰かの答えを探す前に、
まず自分に聞いてみる。
「私は、どうしたい?」
自分の人生を選ぶ前に、
自分の声を聞く。
一杯のお茶は、
そのための小さな余白を
暮らしの中につくってくれます。
今日のお茶は、
あなたに何を
聞かせてくれるでしょう。







